法事は亡くなられた日を基準にして、節目節目の年などに行います。

 

季節が巡り、亡くなられた頃を思い出されて憂鬱なお気持ちになられることもあるかもしれません。

 

大切な方のために、もう一度親しい人にお声がけして行う法事にはどんな意味があるのでしょう。

 

在りし日を思う

月日は早いものです。

ともに過ごした日々を思い出してあの頃は元気で、一緒にいられてよかったな、

本当にいい人だったな、

寂しいけどなんとかこうして過ごしてますよ。

そんな風にして振りかえってみるだけでもいいのかもしれません。

 

故人にとっては、今生きている人が自分のことを思い出してくれる。

こんなにうれしいことはないと思います。

 

色々なことを思い出しながら準備をしていく。

 

元気だったあの頃のお姿を、声や表情、しぐさなどを思い出して、

何でもない日常にこそ幸せが含まれていたということを、

今一度見つめ直すよい機会だと思います。

 

その過程に本当に大切なことが隠されている気がいたしますが、いかがでしょう。

 

あえて登り坂を選ぶ

私たち日本人にとってご法事というのは通過儀礼としての意味もあり、

最近は法事をしない家も多いみたい、なんて声を耳にすると、

 

うちも法事はしなくていいのかしら、

お墓参りだけ済ませてやったことにしようかしら、

などと思われてしまうかもしれません。

 

でも、信じる信じないは別として、

精一杯のことをしてあげる、今できることをしっかりとこなしていく。

そんな積み重ねがより良い人生につながっていくのだとおもいます。

 

楽に生きていくのは今の時代簡単です。でもそれだけでは深みが増しません。

 

法事をちゃんとしたよ、お寺さんに拝んでもらったよ。

 

準備や片付けが大変だったけどがんばった。

みんなが集まるのも大変で、色々と迷惑をかけたけど、いい報告ができた。

 

この安堵やよろこびは法事を行うことではじめて味わうことができます。

 

それは皆さんにとって良いけいけんになります。

 

それぞれが自分で経験したという財産となり、周りの人にも伝えられるようになります。

 

楽な道を選ぶのか、あえてしっかりした登り坂を上るのか、着いたときの景色は全くことなるのです。

 

自らすすんで施す

施主というのは施しの主と書きます。

施しというのは周りの人へ恵み与えることですから、ある程度苦痛が伴うものかもしれません。

 

でもそれを自らすすんで、喜んで行うことに意義があります。

 

法事は費用もかかります。

お寺さんへのお布施に加えて、供物や会食の費用。

雑費などを含めるととても出席者の方の御仏前だけではまかなえないと思います。

 

多少足が出たとしても、身銭をきって周りへ施していく。

 

見返りなど求めず、ただただまわりへ与えていくことが、施主として大切な心ではないでしょうか。

 

そして故人と縁の深い方に、集まる場を提供していくのです。

 

故人を中心にして人と人のまるい輪が出来ていたとおもいます。

その輪は亡くなると切れてしまうようですが、実はまだ繋がっています。

 

故人を主役にして、もう一度その輪を、縁の深い方にお越し頂いて確認する作業。

その機会をつくるのが施主の役割ではないでしょうか。

 

親戚づきあいが薄れていくなか、とても貴重な場となるに違いありません。

 

久しぶりに会う親戚と会話がはずみ、

近況などを報告し合い、お互いの縁を確かめ合う時間はとてもいい思い出となるでしょう。

 

ターニングポイント

法事とはご出席の皆様が仏の教えや心を知るという意味もあります。

 

法事でお読みする経典には、おもに人の生き方が説かれていますから、

仏の教えを知ることで、自分の善い心がやしなわれ、

人として正しい行いが出来るようになっていくのです。

 

法事の中でお経を見たり、お唱えしたり、

お坊さんのお話を聞いたりすることで仏の教えが確認できると思います。

 

お子さんや学生さん、まだ一般に若いと言われる世代の方からしてみれば、

法事で仏教や生死にふれるというのは滅多にない機会です。

 

きっと色々なことを思われるでしょう。

自分の五感で感じとったことはずっといつまでも忘れません。

 

子供の頃に親に連れられていった宗教的な場面は、

いつまでも心に残り続けていると言う方も多いのではないでしょうか。

 

それがふとした場面でご自分の心に作用して、善い縁起となって、

幸せな未来へとつながっていくのです。

 

出席者の方々の人生観が変わる、

そんないい意味で転機になる可能性があるのが法事だと思います。

 

故人と向き合う

いずれにしましても、

法事を通して故人様を思い偲び、

いつも見守ってくれていることへの感謝や、

無事平穏で心安らかに暮らしていることの報告など、

 

ご家族様が故人様と向き合うひとときとなればとてもよいご供養になるのではないでしょうか。

 

きっと故人様にも喜んでいただけるはずです。