以前、無宗教のお葬式を行った方がいます。

父親のお葬式で特にお寺が決まっていなかったため、紹介されたお寺へ何十万円もお布施を包むことを考えると、無宗教にしてしまったほうが色々と都合がいいと考えたそうです。

 

無宗教のお葬式だって最近はある。

家族を説得した娘のAさんは宗教者を呼ばないお葬式「無宗教葬」を選びました。

後日届いた葬儀社からの請求額も予定した範囲内に収まりほっと胸をなでおろしていました。

 

しかし、お葬式を終えて一週間も経つか経たないかの頃、亡くなった父親が夢に出てきたのです。

 

笑顔で手を振っている父がこちらを見ている・・・

そんなに驚く内容の夢ではありませんでしたが、なんだか気になったAさんは知人に相談しました。

 

すると「亡くなった人が夢に出てくるということは、何かしら迷ったり、伝えたいことがあったりするんじゃないの?」と言われたそうです。

 

その知人の言葉が気になったAさんは一人で悩むことに・・・。

もしかしたら無宗教のお葬式をしたことが原因かもしれない。父はずっと元気でいたのに、突然亡くなったから、息を引き取ったことに気づいていないんじゃ…。

 

しばらくして霊園のお墓に遺骨を納めることになり、石材屋さんと段取りをすすめていました。

その際、やっぱりお寺さんに来てもらって、きちんとお経を拝んでもらった方がいい。

そう思ったAさんは家族に事情を説明して、納骨式にお坊さんをよんで四十九日の供養をしてもらうことにしました。

 

 

法要の当日、お坊さんにお墓まで来ていただき、お経を拝んでもらい式は無事終了。

 

法要のあと少し時間があったので、故人が夢に出てきたことを思い切ってお坊さんに相談してみることにしました。するとお坊さんはこう返してくれたそうです。

 

「亡くなられた方が夢に出てくるのは自然なことです。悪いことじゃありませんよ。きっと娘さんに会われたかったのでしょう。

四十九日までは故人があの世とこの世の中間をただよっている期間。そして今日の四十九日法要をもって故人は成仏されました。

もしこれから夢に出てこられたとしても安心してください。そんな時は心のなかでもいいですから手を合わせるのが一番ですよ。」

 

お坊さんが落ち着いたようすで語るその言葉に、Aさんはとても感銘を受けたそうです。

「よかった。お父さん成仏できたんだ。」

 

それまでは、お仏壇の世話やお墓参りなど全く興味のなかったAさんですが、その法要をきっかけに仏様を大切にするようになりました。

 

それからお父さんが夢に出てくることはありませんが、心の中で毎日手を合わせるように心がけているそうです。

 

近年、お葬式などは簡略的な方向へすすんでいます。

これまでお寺付き合いのなかった方は、安易に無宗教のお葬式や直葬を選んでしまうこともあるでしょう。

でもAさんと同じように後々になって不安になってしまうことも少なくないようです。

もし同じようなお気持ちであれば一人で悩まれず、お寺のご住職など、信頼できる方に相談してみられることをおすすめいたします。

故人の成仏のために必要な供養を行っていただけると思います。